■歌人でも狂歌をほとんど読んだことがないという人は少なくない。
しかし、短歌史をひもとけば、江戸時代、伝統を意識してやや停滞気味の本流和歌に代わって、大胆な表現や語彙を取り入れた狂歌というジャンルは、近代に先駆けた面もあると思う。
また、狂歌の掛詞といえば言葉の手品のようなものだが、古来のレトリックで日本語表現の可能性の限界に挑戦するかのようでもあり、フィギアスケートなどワザを見せるスポーツを思わせるものとも言える。
これを忘れてしまうのはあまりにももったいない。
短歌という詩型はこういうこともできる、ということを、少しでも世の中に伝えたいと思う。
■そのようなことを考えていたところ、Facebookで狂歌に詳しいロビン・D・ギルさんと知り合うことができた。
ギルさんは、かつて『誤訳天国』(87年・白水社)『英語はこんなにニッポン語――言葉くらべと日本人論』(89年・ちくま文庫)などで知られたジャパノロジストである。
狂歌にに英訳をつけて、日本語で紹介する書籍を何冊も出版されていて、こちらのブログにもコメントや英訳でご協力いただけることになった。
ギルさんについては、紹介ページもご覧ください。
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