2021年2月17日水曜日

ワン鍋・ニャン鍋・レア鍋賞とは?

ワン鍋・ニャン鍋・レア鍋とは?

  データベース闇鍋を使って短歌などを検索していると、「え、こんなフツーの言葉があんまり短歌に使われていない?」と驚くことがあります。

そこで、用例が一首しかない場合を「ワン鍋賞」、二首しかない場合を「ニャン鍋賞」として讃えることにしました。

また、用例が3首以上でも、普通はよく使う語なのに、そのわりには歌にはあまり詠まれていない、という場合も、「レア鍋賞」として、ここにご紹介することにします。

ナイ鍋(または空鍋)も

ついでに、一般に使う語なのに短歌にまだ使われていないような単語をみつけたら書き留めておきます。


短歌はまだ幼くてカタコト

  短歌という定型詩は、一三〇〇年以上の伝統を背負う円熟した詩型だと思われがちですが、実は短歌はまだ幼く、日本語を使いこなせていない。実はカタコト状態なのです。  

  日本語の言語活動の現場を見渡すと、短歌はほんの一角を占めているだけであり、そこで使える語彙がかたよっているし、単語レベルで見ても、ある単語に意味がいくつもある場合に、短歌に用いられているのはその一部だけ、というふうに偏っていることが少なくないのです。

   短歌は、古典時代から少しずつ、ほんとに少しずつ、使える言葉や意味を増やしてきていていますが、まだまだ「完成された詩型」ではないのです。

安易に敬っちゃダメ! 

 それなのに、短歌という詩型は、完成されたものとして敬われてしまう面があります。

 江戸時代には「歌道」として敬われ、当時の新ジャンル、俳諧や川柳の基礎的教養と位置づけられました。(ゆえに過去を踏襲することが重視され短歌は何百年も停滞した、と学校で習った。)

 今でも、短歌に冠する言説において、伝統など、あたかも短歌には堂々とふりかぶる権威があるかのような言い回しを見かけますが、過去の成果がどんなにたくさんあったって、まだまだ足りない。過去を地固めしつつ、あくまで謙虚に、新しいことを取り入れることが大事であると思います。

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