「ミニアンソロジー」というほどの歌数はなく、
「レア鍋賞」ほど少なくもない……、
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
レジ袋
短歌的には、「レジ袋」という5音の呼び名が使いやすいように思うが、他に「買い物袋」「スーパーの袋」といった表現も採用されている。
最初にいちばんのお気に入り1首
この星に投身をする少女のように海底へ降りてゆくレジ袋山下一路 「かばん」2020.3(題詠「塵も積もれば」)
私のデータベースの短歌中、もっとも美しく悲しく詠まれたレジ袋である。
また、こういう捉え方で詠んだ歌は、今のところこの歌だけ。
この歌は、「かばん」恒例の新春題詠イベントで、「塵も積もれば」という題に対して詠まれたもので、そこも鑑賞ポイントにプラスアルファしたい。(イベントでは54首出詠された中で1位の得票だった。)
●レジ袋を下げてあるく
レジ袋を詠む歌の中で比較的多い取り上げ方は、レジ袋を下げて歩くシチュエーションで、さまざまな心情的な機微を描き出す、というもの。
大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋俵万智 『サラダ記念日』
感情の作り置きってできないと言いあいながら持つレジ袋小野田光 『蝶は地下鉄をぬけて』
レジ袋右手から左手にもちかえる木幡神社の大楠の手前谷口純子 『ねずみ糯』2015
3首目。神社の大樹の前で、レジ袋の持ち手を変える。ひとりでに遠く引いた視点からの絵になる。なんだか記述以上のことを感じる。小さな人間が、スーパの袋(おそらく食料が入っている)を下げて歩いている。その手が疲れたか痛くなったか、ちょっと持ち替えて(小さな問題を解決)また歩き出す。神の前で、普通でまっとうな、日々の命のふるまい、っていう感じだからかなあ?
●レジ袋が他のものに見える
兎ひとつ座れる形にレジ袋ベンチにありて夕暮れてゆく小潟水脈 『時時淡譚』
枯れ枝にはためく白い木蓮はずっと前からレジ袋だった千種創一 『砂丘律』2015
これはあるなあ。
風に飛ばされていく姿は、いろんな生き物に見える。
●その他の捉え方
風に舞うレジ袋たちこの先を僕は上手に生きられますか法橋ひらく 『それはとても速くて永い』2015
レジ袋いりませんってつぶやいて今日の役目を終えた声帯木下龍也 『つむじ風、ここにあります』2013
●レジ袋は2020年7月1日有料化された。 そのことを詠む歌もあったが、いまのところ読んでそのままの世間話という感じ。
短歌的には、「レジ袋」という5音の呼び名が使いやすいように思うが、他に「買い物袋」「スーパーの袋」といった表現も採用されている。
最初にいちばんのお気に入り1首
この星に投身をする少女のように海底へ降りてゆくレジ袋
山下一路 「かばん」2020.3(題詠「塵も積もれば」)
私のデータベースの短歌中、もっとも美しく悲しく詠まれたレジ袋である。
また、こういう捉え方で詠んだ歌は、今のところこの歌だけ。
この歌は、「かばん」恒例の新春題詠イベントで、「塵も積もれば」という題に対して詠まれたもので、そこも鑑賞ポイントにプラスアルファしたい。
(イベントでは54首出詠された中で1位の得票だった。)
●レジ袋を下げてあるく
レジ袋を詠む歌の中で比較的多い取り上げ方は、レジ袋を下げて歩くシチュエーションで、さまざまな心情的な機微を描き出す、というもの。
大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋
俵万智 『サラダ記念日』
感情の作り置きってできないと言いあいながら持つレジ袋
小野田光 『蝶は地下鉄をぬけて』
レジ袋右手から左手にもちかえる木幡神社の大楠の手前
谷口純子 『ねずみ糯』2015
3首目。神社の大樹の前で、レジ袋の持ち手を変える。
ひとりでに遠く引いた視点からの絵になる。
なんだか記述以上のことを感じる。
小さな人間が、スーパの袋(おそらく食料が入っている)を下げて歩いている。
その手が疲れたか痛くなったか、ちょっと持ち替えて(小さな問題を解決)また歩き出す。
神の前で、普通でまっとうな、日々の命のふるまい、っていう感じだからかなあ?
●レジ袋が他のものに見える
兎ひとつ座れる形にレジ袋ベンチにありて夕暮れてゆく
小潟水脈 『時時淡譚』
枯れ枝にはためく白い木蓮はずっと前からレジ袋だった
千種創一 『砂丘律』2015
風に飛ばされていく姿は、いろんな生き物に見える。
●その他の捉え方
風に舞うレジ袋たちこの先を僕は上手に生きられますか
法橋ひらく 『それはとても速くて永い』2015
レジ袋いりませんってつぶやいて今日の役目を終えた声帯
木下龍也 『つむじ風、ここにあります』2013
●レジ袋は2020年7月1日有料化された。
そのことを詠む歌もあったが、いまのところ読んでそのままの世間話という感じ。
2024年6月4日
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