郵便ポストが赤いのは……
落語で「空があんなに青いのも 電信柱が高いのも 郵便ポストが赤いのも みんなあたしが悪いのよ」というのを聞いたことがある。これは、何か責められたときに「はいはい、そうですよ、どうせみんな私が悪いんでしょ」という拗ねた反応のセリフだ。
が、それはともかく、ポストの赤は、空の青と同列のベーシックなことなのだなあ。
ということ考えたついでに、ポストの赤を詠む短歌を探してみた。
空の青を詠む歌なら実にたくさんあるが、ポストの赤はどうだろう。どういう詩情を見出し得るだろうか、と。
本日のデータベースの短歌総数110,567首、うちポストを詠む歌は108首。
そのなかでポストの赤を詠む歌は以下の9首だった。
そのなかでポストの赤を詠む歌は以下の9首だった。
「俺は…俺は…」おれは今夜もポストなり赤く塗られてただ口あけて
加藤治郎(出典捜索中)
真夜中の赤きポストの能天気不幸の手紙何通呑みて
藤原龍一郎『19××』1997
赤きポストの傾きて立つところより残暑湧きつつとめどもあらず
小池光『日々の思い出』1988
まっぴらなまっぴるまにも立っている赤いポストはいつもの場所に
加藤千恵『ハッピーアイスクリーム』2001
あきかぜの吹く無人駅市振の赤いポストは遊女のやうな
木畑紀子『歌あかり』2008
※市振駅(いちぶりえき)は、新潟県糸魚川市にある、えちごトキめき鉄道・あいの風とやま鉄道の駅
0 件のコメント:
コメントを投稿