もしかして本歌取り?と気になった、
歌合せだったらいい勝負じゃんと思えたり、
歌合せだったらいい勝負じゃんと思えたり、
時を超えて応答しているみたいだったり、
歌人の個性の違いを感じておもしろかったり、
とにかく並べて読むだけで〝批評マインド〟が刺激される。
そういうセットがときどきあるので、見つけたらとりあえずここに書きとめます。
同じ作者の作なら進化や変化を感じたり、
することがあります。
とにかく並べて読むだけで〝批評マインド〟が刺激される。
そういうセットがときどきあるので、見つけたらとりあえずここに書きとめます。
ただし、私は、
優劣には興味がない。
歌を並べて優劣を決めたいわけではない。
そこのところ、よろしくおねがいします。
▼2023/12/04
■乗せてくれない列車の拒絶感
3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって
中澤系『uta0001.txt』2004
中澤系『uta0001.txt』2004
特快はもうありません酸素ボンベわすれた人は帰ってください
山下一路『スーパーアメフラシ』2018
山下一路『スーパーアメフラシ』2018
山下の歌、中澤の歌を意識して詠まれた可能性があります。
でもまったく偶然に、共通性のある歌が詠まれることもあるし、
あるいは、世の中の変化が必然的に歌人にこういう歌を詠ませることもある、とも思えます。
とにかく、
あるいは、世の中の変化が必然的に歌人にこういう歌を詠ませることもある、とも思えます。
とにかく、
作者が意識しようがしまいが、偶然だろうが必然だろうが、
似た題材・似たテーマで詠まれた歌どうしは応答する。
このことが重要です。
似た題材・似たテーマで詠まれた歌どうしは応答する。
このことが重要です。
【ついでにちょっと考察】
乗車中の列車内の事象を詠む歌なら、一般列車も含めてたくさんありますが、「特急・特快・快速・急行」niは、「乗れない列車」の「通過待ち」ということがあります。
乗れない特快などに通過され見送る、という物理的体感や心理体験は、どのように詠まれているか気になって、特急・特快・快速・急行のいずれかを含む歌を検索しました。
乗れない特快などに通過され見送る、という物理的体感や心理体験は、どのように詠まれているか気になって、特急・特快・快速・急行のいずれかを含む歌を検索しました。
該当歌は63首あり、内容を車内か車外かでざっと分けてみると、
(内外の区別が微妙なものもありますが)
以下のようになりました。
以下のようになりました。
・列車内の体感や視覚表現と思われる歌 22首
・列車外の体感や視覚表現と思われる歌 31首
★うち「乗れない列車」を詠む歌
★うち「乗れない列車」を詠む歌
・その他(内外の区別なしor不明) 10首
列車外に身をおいて詠む歌にも、外観を詠んだり遠景として詠んだりとさまざまあって、「乗れない列車」として拒絶的な感覚を詠む歌は少数でした。(意外でした。)
しかし、「乗れない列車」という屈折は既に意識されており、「乗る」「乗っている」ことを詠む歌も、「乗れない」場合があることが無意識にも踏まえられている感じを受けるものがあります。
しかし、「乗れない列車」という屈折は既に意識されており、「乗る」「乗っている」ことを詠む歌も、「乗れない」場合があることが無意識にも踏まえられている感じを受けるものがあります。
けものみちは優しくわらう三鷹駅快速電車におとなしく乗る
風野瑞人「かばん」2018・2
「おとなしく乗る」には、かすかに、屈折した駆け引き感があります。
列車に乗る乗らないは普通ならこちらの自由ですが、この「おとなしく乗る」は、乗せてくれない場合があること、列車側に主導権がある場合があることを踏まえての駆け引きだと思います。
列車に乗る乗らないは普通ならこちらの自由ですが、この「おとなしく乗る」は、乗せてくれない場合があること、列車側に主導権がある場合があることを踏まえての駆け引きだと思います。
あたたかき自分の髪に顔を入れ快速電車に眠り続ける
前田康子『窓の匂い』2018
こちらの歌の「快速電車に眠り続ける」には、目的地までの長距離を乗り降りなしでまとまった時間安心して眠れる、という安心感がある思います。
この安心感は、乗れなかった人には得られないものであって、屈折と呼ぶにはかぎりなく薄いけれど、乗れた乗れないのコントラスト感を、わずかにかすめていると思います。
この安心感は、乗れなかった人には得られないものであって、屈折と呼ぶにはかぎりなく薄いけれど、乗れた乗れないのコントラスト感を、わずかにかすめていると思います。
2023・7・28
■君もしくはあなたがちょっと乱暴(植物などに対して)を働くのを見ている
ありそうで意外に少ないシチュエーションです。
土井礼一郎『義弟全史』
雨つぶを散らしてきみは力ある葡萄の房をひきおろしたり
加藤治郎『昏睡のパラダイス』
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