斉藤真伸『クラウン伍長』
定食をひとりで食べて箸を噛んでもひとり なんでも出来る
藤本玲未『オーロラのお針子』
新人賞落選の日の焼魚定食の鯖穏やかなりき
鯨井可菜子『タンジブル』
タダゴトとして見る世界面白くワリバシを割り定食を食う
藤原龍一郎
カウンターの隣は何を待つ人ぞわれは春雨定食を待つ
田村元『北二十二条西七丁目』
日替はりの定食メニュー日毎かへて食べ飽きるころ秋はふかまる
外塚喬『火酒』
鉄筋の臭いをさせる作業着の女と同じ鯖煮定食
佐佐木定綱『月を食う』
定食屋のしょうゆの瓶を握ったら見知らぬ人との握手のようで
戸田響子『煮汁』
定食屋うなだれている父たちが食らう撃ちぬかれたる蓮根
八木博信『ザビエル忌』
白鳥定食いつまでも聲かがやくよ
田島健一(俳句)
稲妻やトンカツ定食ここにあり
石田柊馬(川柳)
■2021年4月29日追加
あなたとは行かない駅にそのたびにかならず食べに寄る定食屋
山階基「風にあたる拾遺」
白にしろを重ねてあわき色合いのふたりで食べるとろろ定食
松村正直『紫のひと』
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