ちょっと画像でググったら、新選組の羽織の袖や裾にあるギザギザ模様ばっかり出てきて、まずは「へーっ、ギザギザか」と思ってしまったわけです。
でも、myデータベースを検索したら、まず目に入ったのはこれでした。
夜のそらにふとあらはれてさびしきは、床屋のみせのだんだらの棒
宮沢賢治
ん、床屋のあれはギザギザ模様じゃないじゃない。
そこでググり直し、だんだらは段々になっている横縞模様のことだとわかりました。
(重要なのはギザギザではなかったんだ。)
「だんだら」は語感がおもしろい。いつかこれがピタリとはまる歌を詠めるといいな。
朝を細き雨に小鼓おほひゆくだんだら染の袖ながき君
ルビ:小鼓【こづつみ】
与謝野晶子
酔ひたれば関八州は暮れがたの火のしましまや風のだんだら
ルビ:酔【ゑ】
永井陽子『モーツァルトの電話帳』
七十九歳媼のスリは捕らえられだんだら模様に暮れゆく空や
鈴木英子『油月』2005
だんだら縞も町に古びて落魄の化粧もあれよ白塗り粉塗り
ルビ:粉【こ】
山尾悠子『角砂糖の日』新装版2016
わたくしのからだはとおくちかく結ぶ 毛糸で出来ただんだら縞だ
杉山モナミ
幼齢のいもむしはのばされならぶみなだんだらだ図鑑ありがとう
柳谷あゆみ『ダマスカスへ行く 前・後・途中』2012
だんだらの道化の帽子かむりたる童子はついになきにけるかな
小熊秀雄
朝やけは朱と紫のだんだらに山を染め分け明けんとするも
小熊秀雄
窓べには仙人掌の花日覆のだんだら縞やわが夏帽子
ルビ:仙人掌【さぼてん】/日覆【ひおほひ】
斎藤史『魚歌』1940
街角の店の日除はむかしも今もだんだら縞がすこし褪せをり
斎藤史『ひたくれなゐ』
ホームには春のコートが立ち並ぶ肩に落ちたるだんだらのひかり
梶原さい子『ナラティブ』
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