みちのくのひつつみ食べてひいふうと口より二つ雲を生みたり
※「ひつつみ」に傍点
小島ゆかり『憂春』
「ひいふうみい……九つここにも禿があり」橋の擬宝珠叩いて渡る
永井陽子
空中をしずみてゆけるさくら花ひいふうみいよいつ無に還る
内山晶太『窓、その他』
ひいふうみ鳥居抜ければひいふうみ身から鱗が剥がれておちる
黒崎由起子『銀の砂』
食指といふなまぐさき語のうかび出づひいふう白き粥ふきさます
大森浄子『岩船寺のセミ』
ひふみよいむなやここの十日の経つころを闇に喰はれてしまふ月読
手酌して呑むおほみそか一年のうれしき一二肴に味はひ
ルビ:一二肴【ひいふうあて】
以上2首 青木昭子『申し申し』
ひいふうみい河の向うに他郷の灯
谷口幹男(川柳)
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