加藤治郎『昏睡のパラダイス』1998
学校の白壁に熱き冬日かも弁当前の授業闌けつゝ
ルビ:弁当【べんたう】 闌【た】
木下利玄(大正5年発表/ 歌集名? )
白壁にしがみつく蜘蛛そうここは入口でなく出口でもない
江戸雪『DOOR』2005
夕焼のにじむ白壁に声絶えてほろびうせたるものの爪あと
ルビ:爪(つめ)
前川佐美雄『捜神』1964
いつ死にてもよけれど今はいやなれば白壁につるす赤唐辛子
渡辺松男『自転車の籠の豚』2010
白壁に噴水のうすき影動きたしかなりひとりひとりの生は
横山未来子『花の線画』2007
ぷすぷすと燃えだすごとき白壁に鳥を探して入つていつた
笠井烏子『ゴブリンシャークの背に跨りて』(私家版)
白壁に我が影うつす午後二時のあの日とおなじ太陽の位置
新井蜜『鹿に逢ふ』2014
白壁にたばこの灰で字を書こう思いつかないこすりつけよう
永井祐『日本の中でたのしく暮らす』2012
■2021年4月29日追加
蔦の葉のすきまにのぞく白壁のやうにしばらく眠つてゐたい
梅内美華子『真珠層』
青空は罪深きかよ
虻あぶや蜻蛉
お倉の白壁にぶつかつて死ぬ
夢野久作『猟奇歌』
■2021年6月23日追加
俳句
ざぶざぶと白壁洗ふわか葉哉
小林一茶
今日も生きて虫なきしみる倉の白壁
尾崎放哉
白壁に蜂つきあたりつつ入日
桂信子
白壁に蛾が当然のやうにゐる
矢口晃
白壁の穴より薔薇の國を覗く
渡邊白泉
川柳
陽があるゆえの白壁の誇りのみなり
中村冨二『千句集』
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