飯田有子(出典調査中)
五十銭貰って/一つお辞儀する/盗めば/お辞儀せずともいいのに
夢野久作(出典調査中)
ごきげんやうお辞儀ちひさくバスに乗り海辺の家の昨日に帰る
古谷空色 「かばん新人特集号」98年2月
つむじたちぶつかってくるおじぎからすこしはなれているはるの家
杉山モナミ(本人ブログ「b軟骨」)
フロアには朝が来ていて丁寧にお辞儀をしたらもうそれっきり
笹井宏之『ひとさらい』2011
(さようなら)おじぎするにもひきだしがたくさんあってぜんぶひきだす
望月裕二郎『あそこ』2013
砂浜を歩き海から目に届く光のためにおじぎを交わす
堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る 』2013
無人駅、と誰かがつげて陽にふれて誰も誰もがもうおじぎ草
佐藤弓生「かばん」2014・8
鉄橋のむこうで君が深々とおじぎをしたらはじめます秋
千種創一『砂丘律』2015
二分ほど静座するまでからだ癒え誰にともなくおじぎしてみる
宇佐美ゆくえ『夷隅川【いすみかわ】』2015
高校に行かせてくれと土下座して転がっちゃった天使のあたま
穂村弘『水中翼船炎上中』2018
シースルーエレベーターを借り切って心ゆくまで土下座がしたい
斉藤斎藤『渡辺のわたし』2004
■俳句
福助のお辞儀は永遠に雪がふる
ルビ:永遠(とわ)
鳥居真里子(出典調査中)
■川柳
なんべんもおじぎをしたら尾が生えた
樋口由紀子『樋口由紀子集』
追加(2021・3・7)
■短歌
鶏のこどもを連れて冬空か夏空に軽く会釈をしたい
笹井宏之『ひとさらい』2011
さっきまで騒いでたのにトイレでは他人みたいな会釈をされる
木下龍也『つむじ風、ここにあります』2013
頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて頭を下げて暮れゆく
萩原慎一郎『滑走路』2017
正門の脇に森ありその中に教授が一礼する神社あり
千葉聡『グラウンドを駆けるモーツァルト』2021
今朝の春蛇口ひねれば出る水に礼するごとく顔を洗いぬ
田中徹尾『人定』2003
百円を入れピーマンを取り出せばわざわざここまで来て礼をする
土井礼一郎 「かばん新人特集号」2018
誰にともなく深々と礼をして車掌はふたたび揺れるなのはな
杉谷麻衣『青を泳ぐ。』2016
あじさいがまえにのめって集団で土下座をしとるようにも見える
吉岡太朗『ひだりききの機械』2014
地下ホール消灯すれば星の海 からだはしぜんに敬礼をした
雪舟えま 朝日新聞夕刊2012/6/26
■俳句
秋風の辞儀に六歳翁応ず 永田耕衣『泥ん』1990
■川柳
目礼をしてひとりずつ霧になる 石部明(出典調査中)
■どどいつ
意見きく時ゃ頭(つむり)を下げな 下げりゃ意見が上を越す
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