タマネギは床八方へころがりぬ腰を痛めて拾へぬわれは
花山多佳子『胡瓜草』
重力に逆らいながら起床する腰の痛みにしかめ面して
松木秀『RERA』
腰痛のためおだやかに笑う昼ほそくて蒼い客も来たれり
東直子〈出展調査中〉
腰痛を抱えて集う相部屋に一本の梅さし込まれたり
東直子『十階』
読んだことあるメモのなかのみたことのない命 腰痛の
杉山モナミ〈作者ブログ「b軟骨」〉
フラミンゴの群れの前にて腰痛にならぬかと問ふてゐる老婦人
石川美南『砂の降る教室』
世にたつはくるしかりけり腰屏風 まがりなりには折れかゞめども
唐衣橘洲(江戸狂歌)
年越しのぎっくり腰の篦棒め
ルビ:篦棒 べらぼう
鈴木明(現代俳句)
■肩こり
肩こりに効くというヨガ息とめて吐いてちぢんで伸びてちぢんで
俵万智『かぜのてのひら』
肩こりを叩くにちょうど手ごろなり かどや純正ごま油の壜
藤島秀憲『二丁目通信』
あどけない亜麻色をしたすじ雲に照らされている世界の肩こり
井辻朱美『クラウド』
肩こりはスヌードであるケープであるポンチョであるあのさみLさ
杉山モナミ「かばん」2015.12
仕舞湯の暗きに瞑り痛む肩揉みてぞいたるしこり忘れて
河野裕子『日付のある歌』
肩の凝るほど実をつけてずむずむと柿の木あゆむ秋の後姿
ルビ:後姿 うしろで
萩岡良博「詩客」2012.11
ラフレシアに寄生されたる木の心地 肩こりと息を分けあい暮らす
加瀬はる(第4回 大学短歌バトル2018)
鴉横に居て肩痛し秋の暮れ
永田耕衣(現代俳句)
かたばみの肩凝り歴史的である
石田柊馬(現代川柳)
■両方含む
腰痛 痔 肩こり 高所恐怖症 ヒトが進化で手に入れたもの
松木秀『親切な郷愁』
腰痛も肩凝りもない水死体
丸山進『アルバトロス』(現代川柳)
2021年5月3日追加
俳句
偲んだり食べたり厚着に肩凝ったり
池田澄子『此処』
着膨れの中に肩凝りしまひたる
北大路翼『見えない傷』
池田澄子『此処』
着膨れの中に肩凝りしまひたる
北大路翼『見えない傷』
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