2021年4月10日土曜日

ミニ41 いろんな致死量

 「致死量」という語を含む歌句を私のデータベースで検索したところ、短歌14首、俳句2


句、川柳1句が見つかりました。

本日のデータベース「闇鍋」 総数 160,526
   短歌 14/114,745首(頻度 1/ 8488)
   俳句   2/ 31,875句(頻度 1/15008)
   川柳   1/ 13,406句(頻度 1/13300)
  その他   0/500(詩、都々逸など)

ピックアップ


寒泳の青年の群われにむきすすみ来つ わが致死量の愛
塚本邦雄『綠色研究』1965

掌に唾吐くごとき凡庸を生きて喪う致死量の致や
藤原龍一郎 『切断』1998

致死量の芥子のごとくに赤き月シルクロードの旅路のはてに
有沢螢『致死量の芥子』2000

致死量に達する予感みちてなほ吸ひこむほどにあまきはるかぜ
光森裕樹『鈴を産むひばり』2010

致死量の光の中で猫よけのペットボトルの水を飲み干す
木下龍也『つむじ風、ここにあります』2013

致死量の愛、其れはすなはち一〇ベクトル、もちろんわれも死に至るなり
藪内亮輔『海蛇と珊瑚』2018

目が合ったあなたは去った軽蔑に致死量があることがわかった
工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』2020

致死量がなくて効き目がどこまでも拡がつてゐる飛花の真ん中
荻原裕幸(出典確認中)

致死量の思い出は身にかはたけのながるるままの秋を知るべし
江田浩司(出典確認中)


俳句


孵化寸前うづらに籠る微致死量
小津夜景 ブログ俳句空間2014・4

致死量の月光兄の蒼全裸
ルビ:蒼全裸(あおはだか)
藤原月彦『王権神授説』1975


川柳


致死量とおぼしき暁の真水  渡部可奈子


なお、「川柳おかじょうき」のデータベースでは以下の句が目に止まりました。

福袋開ければ致死量の雪
Sin 2006年01月 おかじょうき川柳社青森支部「洋燈」月例句会

致死量の腕枕なら構わない
ひとは 2013年04月 おかじょうき川柳社例月句会

致死量のナットウ菌と生きている  
村井規子 2009年05月 おかじょうき川柳社例月句会

以上

2021・4・12追記

以下、「俳句の箱庭」の透次さんより教えていただきました。


致死量の笑ひもありぬ文化の日  石倉夏生

雛あられしばらく致死量を超えず  津根元潮

これ以上抱けば致死量曼珠沙華  北見さとる


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