「のっぺらぼう」という語を含む短歌を集めてピックアップしました。
俳句川柳も探してみたところ、俳句は極端に少なく、川柳はわりにたくさんあるようでした。
2021年5月8日追記
俳句では少ない、と思っていましたが、「俳句季語一覧ナビ」というサイトで「のっぺらぼうを使用した俳句」というふうにまとめられているのを発見。あるところにはあるもんですね。
●短歌
魚たちの喜怒哀楽を思ひつつのつぺらぼうの蒲鉾を食む
ルビ:食(は)
小川真理子『母音梯形』2002
一心に釘打つ吾を後より見るなかれ背は暗きのつぺらぼう
富小路禎子『白暁』1970
雨雲の下でのっぺらぼうは待つ 泣きかたはみなそれぞれちがう
平川哲生(出典調査中)
母の老いわれは知らざり娘の老いを母は見るなし互みのつぺら
百々登美子 『風鐸』2005
ヒトラーの頭骨の穴想うとき十勝の空ののっぺらぼうめ
松木秀『5メートルほどの果てしなさ』2005
改まつていはれるとどうなんですかのつぺらぼうとちがひますか
平井弘『遣らず』2021
●俳句
福笑のつぺらぼうにして畳む
西原天気『けむり』2011
憤怒り
怒る
全身舌ののつぺらぼう
高原耕治(出典調査中)
逝く春ののつぺらぼうの顔見たり 河原枇杷男
(俳句の箱庭・透次さんより教えていただきました。)
●川柳
触れてみたアナタの右脳のっぺらぼう
夏井せいじ「月刊おかじょうき」2017年12月
みぞれふるのっぺらぼうのうらにふる
三浦蒼鬼「月刊おかじょうき」2017年04月
のっぺらぼうにマスクをしてはいけません
むさし「月刊おかじょうき」2016年03月
表札がのっぺらぼうになっていた
三浦昌子「月刊おかじょうき」2012年04月
おまけ:福笑
上記の俳句の中に「福笑」という言葉がありますが、のっぺらぼうに関係があるので、これも探してみました。
短歌・俳句ではうんと少なくて以下の2首1句だけしか見つかりませんでした。
福笑いのからだ今ごろ痛んでるのではないかな さくらは生きて
杉山モナミ「かばん」2016・4
福笑い君が笑った円盤の大きな銀に乗りにけるかも
三好のぶ子「かばん」1998年1月
福笑鉄橋斜め前方に
波多野爽波 『骰子』1986
川柳は以下2句をピックアップしておきますが、かなり詠まれているようです。
真面目な顔ができてしまった福笑い
北野岸柳「月刊おかじょうき」2006年01月
父という優しいだけの福笑い
斎藤茂生「月刊おかじょうき」2005年06月
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