2021年5月9日日曜日

ミニ47 しりとり

「しりとり」という語を含む短歌をさがしてみました。
題材としてそそられますね。

本日の闇鍋のなかの短歌は115,232首。

うち、「しりとり」という語を含む歌は16首ありました。
表記を確認中の1首を除いてアップします。


■「ん」で終わる

「しりとり」のいちばん重要なルールは「ん」で終わる言葉を言わないこと。そのことを詠んだ歌が多いようです。

宮崎の夜道を歩くつかのまの卑弥呼・古墳で終わるしりとり
笹公人「詩客」

「おいしいものしりとりしよう」と誘ひたるに「ごはん!」と即答されて終はりぬ
田口綾子『かざぐるま』2018

なにしとん、そうなん、いくん、どうするん しりとりできぬふるさとの声
東直子「かばん」2017・7 

生態学の講義聴くたび思うこと にんげんと言えばしりとり終わる
田中章義(出典調査中)

安全と言えば即座に負けになる原発しりとり 危険でも負け
松木秀『親切な郷愁』2013

■そのほか


馬の名でしりとりをした思い出を丸くたたんで 明日「菊花賞」
田中槐『ギャザー』1998

しりとりのとぎれるところの雲の峰ゆめ忘れるなきみのヒーロー
井辻朱美『クラウド』2014

夕凪の渚でしりとり「ささ」「さかさ」「さみしさ」なんて笑いとばせよ
千葉聡『微熱体』

何なんだ 向かいあったらしりとりも出来ないくせにうたったりして
柳谷あゆみ『かばん新人特集 vol.3』

しりとりのように灯りがゆっくりと 5階を示すエレベーター・ランプ
間宮きりん「早稲田短歌」44

コイビトと子はしりとりをつむぎたりふいに窓より緑あふれて
春野りりん 『ここからが空』

しりとりをしながらしたねきみがまだ草だったころ犀を抱えて
中山俊一(出典調査中)


しりとりの次の言葉を言うように「ガムテ」「ガムテ」の声あちこちに
千葉聡『短歌は最強アイテム』2017

思い出すのに必要なことすべてしりとりに換え床に目覚める
鈴木有機「かばん」2003年2月

なぞなぞ、とあなたの声が言ってきて なぞなぞだった、しりとりじゃなくて
伊舎堂仁「詩客」2017・11・4


今日はこんなところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿