「●●してください」の「ください」を含む短歌をさがしてピックアップしました。
本日の闇鍋短歌データ 121560首
そのなかに「ください」or「下さい」を含む歌は36首。
そこからピックアップします。
■「ください」で終わる歌
だれひとり悲しませずに林檎ジャムをつくりたいので理論をください
千種創一『砂丘律』2015
あなたから香る桜をいつまでも忘れずに済む脳を下さい
千種創一『砂丘律』2015
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい
笹井宏之『ひとさらい』2011
ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください
笹井宏之『てんとろり』2011
のっぽの男ひとり沈めておくのだから一番大きな甕をください
大久保春乃『いちばん大きな甕をください』2001
後ろからつつまれたときブラインドごしに見ていた雲をください
田丸まひる『硝子のボレット』2014
よく眠る男のひとの感情がほろびるまでの一生をください
田丸まひる『硝子のボレット』2014
いちばんとおくにいるような気がする青いあなたの声をください
風野瑞人(2014年時雨殿サマーバレンタイン歌会被選歌)
夜をください そうでなければ永遠に冷たい洗濯物をください
服部真里子『遠くの敵や硝子を』2018
笹井宏之『ひとさらい』2011
ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください
笹井宏之『てんとろり』2011
のっぽの男ひとり沈めておくのだから一番大きな甕をください
大久保春乃『いちばん大きな甕をください』2001
後ろからつつまれたときブラインドごしに見ていた雲をください
田丸まひる『硝子のボレット』2014
よく眠る男のひとの感情がほろびるまでの一生をください
田丸まひる『硝子のボレット』2014
いちばんとおくにいるような気がする青いあなたの声をください
風野瑞人(2014年時雨殿サマーバレンタイン歌会被選歌)
夜をください そうでなければ永遠に冷たい洗濯物をください
服部真里子『遠くの敵や硝子を』2018
鈴木美紀子『風のアンダースタディ』2017
北の人のたましいは雪に宿るというあなたの魂をください
茂泉朋子「かばん新人特集号」2001年12月
レシートも袋もカバーもいりませんおつりもいいです愛をください
木下龍也『つむじ風、ここにあります』2013
東直子『青卵』2001
胸にのせた花をください一様に眠りの溶ける闇の標に
小野田光『蝶は地下鉄をぬけて』
一杯の水をください この町は濁音のまま病床につく
鈴木智子『砂漠の庭師』2018
口実をください 口からいくつものドレインチェリー限界が来る
鈴木智子『舞う国』2022
きんいろの炎をくださいぎんなんを握ればねがいの突き刺さるゆび
ネコノカナエ「詩客」2021・01・09
茂泉朋子「かばん新人特集号」2001年12月
レシートも袋もカバーもいりませんおつりもいいです愛をください
木下龍也『つむじ風、ここにあります』2013
■歌の途中に「ください」がある歌
東直子『青卵』2001
胸にのせた花をください一様に眠りの溶ける闇の標に
小野田光『蝶は地下鉄をぬけて』
一杯の水をください この町は濁音のまま病床につく
鈴木智子『砂漠の庭師』2018
口実をください 口からいくつものドレインチェリー限界が来る
鈴木智子『舞う国』2022
きんいろの炎をくださいぎんなんを握ればねがいの突き刺さるゆび
ネコノカナエ「詩客」2021・01・09
両方兼ね備えている歌が印象に残りますね。
■おまけ
俳句川柳は手持ちデータが少なく「ください」を含むのは俳句2句、川柳3句しかありませんでした。
俳句川柳もひとつずつあげます。
俳句
銀の活字五十銭今日は「な」を下さい
前島篤志
なんのことかと思いましたが、そうか、お金がなくて活字を少しずつ買い揃えているのか。
だんだん使える字が増える、表現の可能性がふくらむ末広がりなめでたさ。
ただし、末広がり感は、逆のケース(先細り)も意識されてこそ、真のめでたさ帯びると思います。
なにかの小説でタイプライターが少しずつ壊れてだんだん使えない字がふえていく、っていうのがありました。
また、「クラリネットをこわしちゃった」という歌は、出ない音がだんだん増えていくんでしたね。
この句はそういう例の逆。世の中にはそういう先細りを表現するものが多いことを踏まえている気がします。
川柳
水を 夜をうすめる水をください
八上桐子『hibi』2018
着想がおもしろいと思いました。
絵に描きたいような。
(ほんのすこーしだけものたりないのは
「夜」=「暗い」=マイナス要素
というステレオタイプに頼っている感じかなあ。そのぶん意外性が削がれている。)
ただし、ステレオタイプといえば、
「酒をください」というものが、俳句1句、川柳1句あったことです。
私の俳句データはすごく少ないのに2句あるなんて。
酒で〝うさ〟を薄めるような発想こそがステレオタイプな状況かもしれず、そのなかでは水で薄めるほうが新鮮なのかも?
2022・3・25
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