「ミニアンソロジー」というほどの歌数はなく、
「レア鍋賞」ほど少なくもない……、
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
■一反もめん
「一反もめん」が、どんなふうに歌に詠まれるのか、着想のしかたに興味があって集めてみた。
3首しかないので「レア鍋」に入れようかと思ったが、そもそも歌数が多いとも思えないから「レア」とする意味がない。
本来の意味の一反もめん(A)と、妖怪のそれ(B)(「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるので親しまれている)と、両方あり得る。判別しにくいが「飛ぶ」と書いてあれば後者だろう。
短歌
垂乳根のははわだかまりほぐせずに押し入れの中で一反木綿山下一路『スーパーアメフラシ』2017
老いてなおうさぎは白きままにして一反木綿のごとくのびおり
花山周子『林立』2018
未来にはいまだ形のなきものを一反木綿の飛びさうな空
川野里子『硝子の島』2017
俳句
木枯や一反もめんぼろぼろに
高橋龍『句控 上屋敷』2018
一反木綿雨後をふくらむジャック&ベティ
野間幸恵
川柳
あんたこそいったんもめんになっちゃえば
なかはられいこ
上記のなかでは川柳の「あんたこそ……」が、いちばん「一反もめん」という語にそなわったどことなく雰囲気(A 白い、長い、きまじめ)+(B 鬼太郎の仲間妖怪で空を飛ぶがあまり強くないユーモラスな姿)を生かしていると思った。
「あんたこそ」とは、なんと言われての反論だろう。わからないが、この反論には、窮鼠猫を噛むというほどの威力がないところが味わいだと思う。
優しくて気の弱い子が半泣きでせいいっぱいで言い返したようなセリフ。でも人が良すぎて、この程度になっちゃったみたいな、威力のなさ。だから相手も「なんだそりゃ」と少し面食らっていそうである。
2022・4・27
「一反もめん」が、どんなふうに歌に詠まれるのか、着想のしかたに興味があって集めてみた。
3首しかないので「レア鍋」に入れようかと思ったが、そもそも歌数が多いとも思えないから「レア」とする意味がない。
3首しかないので「レア鍋」に入れようかと思ったが、そもそも歌数が多いとも思えないから「レア」とする意味がない。
本来の意味の一反もめん(A)と、妖怪のそれ(B)(「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるので親しまれている)と、両方あり得る。判別しにくいが「飛ぶ」と書いてあれば後者だろう。
短歌
垂乳根のははわだかまりほぐせずに押し入れの中で一反木綿
山下一路『スーパーアメフラシ』2017
老いてなおうさぎは白きままにして一反木綿のごとくのびおり
花山周子『林立』2018
未来にはいまだ形のなきものを一反木綿の飛びさうな空
川野里子『硝子の島』2017
川野里子『硝子の島』2017
俳句
木枯や一反もめんぼろぼろに
高橋龍『句控 上屋敷』2018
高橋龍『句控 上屋敷』2018
一反木綿雨後をふくらむジャック&ベティ
野間幸恵
川柳
あんたこそいったんもめんになっちゃえば
なかはられいこ
なかはられいこ
「あんたこそ」とは、なんと言われての反論だろう。
わからないが、この反論には、窮鼠猫を噛むというほどの威力がないところが味わいだと思う。
優しくて気の弱い子が半泣きでせいいっぱいで言い返したようなセリフ。
優しくて気の弱い子が半泣きでせいいっぱいで言い返したようなセリフ。
でも人が良すぎて、この程度になっちゃったみたいな、威力のなさ。
だから相手も「なんだそりゃ」と少し面食らっていそうである。
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