2022年5月17日火曜日

ちょびコレ7 ○○までが△△だろう

 「ちょびコレ」とは、

「ミニアンソロジー」というほどの歌数はなく、
「レア鍋賞」ほど少なくもない……、
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。

(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)

■ ○○までが△△だろう

「○○までが△△だろう」「までが なのか」という構文、おもしろそう。
題詠に良さそうじゃないですか?


いつまでが新婚だろう雪靴のように重たい一日の過ぐ
吉川宏志『夜光』2000

どこまでがぼくなのだろう燻されたスーツのままでバスに揺られて
堀合昇平『提案前夜』2013 

いつまでが湯上がりだろう室温の野菜ジュースに濡れるストロー
山階基『風にあたる』2019

どこまでがここなのだろううゑのころが笑つてゐて話はそこまで
平井弘『遣らず』2021

検索語を「○○まで/△△なの」など緩めたら、もっとたくさん出てくると思う。

こんど時間があるときじっくり探してみよう。
(時間があれば、そして忘れずにいられれば……。)

2022・5・17



追記2024・6・30 少し緩めて再検索

どこまでがわたしなのかがわからなくなってしまいそうな真夜中
加藤千恵『ハッピーアイスクリーム』

どこまでがわたくしなのか入れたまま詩の暗唱をしはじめる人
佐藤羽美『ここは夏月夏曜日』

私とはどこまでなのか風の街ひとりひとりをすり抜けながら
風野瑞人 2014年「大阪短歌チョップ」イベント「うたのかべ」掲載歌

どこまでが海なのかもうわからない潮錆びた錠をおろして眠る
水田よし枝(出典調査中)

縺れあうコスモス畑で子を追えりいつまで若い父なのだろう
吉川宏志『夜光』

放たれてあなたの還るみずうみはどこまで明るくつめたいのだろう
東直子『春原さんのリコーダー』1996

どこまでが優しい嘘になるのだろう青空にただ触れていたいよ
本多忠義『禁忌色』

いつまでが湯上がりだろう室温の野菜ジュースに濡れるストロー
山階基『風にあたる』

いつまでが新婚だろう 好きだった東京メトロの生ぬるい風
堀静香『みじかい曲』2024



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