「ミニアンソロジー」というほどの歌数はなく、
「レア鍋賞」ほど少なくもない……、
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
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■ かくれんぼ
短歌データ122,606首中に「かくれんぼ」を詠み込んだ歌は18首。
「かくれんぼ」といえば寺山修司の有名な歌がある。
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
寺山修司『田園に死す』1965
他の用例もあわせて、「かくれんぼ」という詩的アイテムは〝光と影のちょうつがい〟になる。明るい日常世界とそうでない世界、生と死。たとえば戦争から帰ってこない人、幼い死者などの疎外感や寂しさをあらわす傾向があると思う。
かくれんぼ鬼の仲間のいくたりはいくさに出でてそれきりである
山崎方代(1014ー1985)『こんなもんじゃ』2003
血まみれに蜻蛉の群れる高みより子はもどされてくる かくれんぼ
平井弘『前線』1976
有名な歌があるとそこに使われた単語の使用率が高まる傾向があるので、追随して詠まれていそうだと思ったが、その割には少なかった。
寺山の『田園に死す』は1965年の刊行だし、その後、「かくれんぼ」という言葉に、異なる詩情は開拓されていないか、という目で探してみた。
一九八〇年から今までが範囲の時間かくれんぼです
穂村弘『手紙魔まみ、夏の引っ越しウサギ連れ』2001
見つからぬためではなく見つかるという喜びのためのかくれんぼ
俵万智『未来のサイズ』2020
俳句はしろうとですが、この句がイチオシ。
山々で指をかついでかくれんぼ
阿部完市『絵本の空』
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