検索してみると、個人やグループが自由な手法、好きなテーマで制作した冊子のこと。
文フリで見かけるあれかあ、と思ったが、驚いたのは、それを「新しい表現方法」と紹介していることだ。
なるほど、ネットなら珍しくないが、紙媒体でそれをやるのは、「新しい」ことなのね。
2★ゴリラ鯨雨
「ゲリラ豪雨」というのがあって、ちかごろの雨は風情がない。
ただひとつ面白いのは、しょっちゅう「ゲリラ」を「ゴリラ」と言い間違えること。
間違えずに踏みとどまれても、もう脳裏でゴリラと鯨が相撲をとっている。
※「ゲリラ雷雨」という言葉もあり、なぜかこちらはあまり言い間違えない。
3★筆記の擦過音をなにかに〝聞きなす〟
〝聞きなし〟の代表例は、鳥の声を「チョットコイ」などと人の言葉のように聞くことだ。
筆記のときの、スラスラ、サッサッという擦過音。
そのリズムや強弱を、何かに〝聞きなし〟てしまう動画があった。
究極の空耳アワー。気のせいだろ、と言いたいぐらいに微妙。
しかし、「何かが別の何かに聞こえてしまうと、もうそうとしか聞こえなくなる」という、言葉の現象は、けっこう強力なもので、しかもなんだか愛らしい。
この人間の言語能力って、猫が動くものにじゃれるのと同じく、きっと本能なんだろうな。
こういう動画、たまにあるので、ぜひ探してみてほしい。
4★何にでもつく言葉
「それにつけても金の欲しさよ」
これは何にでも付けられるフレーズとして知られている。
よく知られた百人一首のこの歌にくっつけてみよう。
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに
それにつけても金の欲しさよ
おお、けっこう馴染むじゃないの。
人生の儚さを詠む歌から風情をかき消して、
高齢者の貧困問題を詠んだ歌になる。
牧水のこれはどうだ?
白鳥は哀しからずや
空の青海のあをにも染まずただよふ
それにつけても金の欲しさよ
白鳥が空を漂いながら、お金でも落ちていないかと下界を見ているみたい。
花より団子的、ポエジーより現金という感じ。
で、最近おもしろいと思っているのが、「知らんけど」だ。
「真偽はわからないよ」と免責を得ようという意思表示なのだろう。
関西弁の「知らんけど」という5音は、免責というか、軽くおどけてフェイクを楽しむニュアンスもあるみたいに聞こえる。
(私が言っても、あの関西弁の味が出ない。)
さっきの歌に付けてみると、ううむ。
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに 知らんけど
いきなり現実に引き戻すところは、「それにつけても・・」と共通している。
白鳥は哀しからずや
空の青海のあをにも染まずただよふ 知らんけど
イメージを書くのが歌の言葉だが、白鳥の気持ちなどわかるもんか、と免責的に付け加えるところがおもしろい。
短歌を膝カックンしてるみたい。
2024/6/24
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