「ミニアンソロジー」というほどの歌数はなく、
「レア鍋賞」ほど少なくもない……、
そんな、ちょっとした短歌コレクションです。
(以前は「随時更新」として、いくつかまとめていましたが、
いま、1テーマ1ページの方式に移行しています。)
短歌の中で、「空」と相性が良いもののひとつに「ウソ」がある。
「空+ウソ」で思い浮かぶのはこの3首。
これからもさみしいうそをついていく東西南北一枚の空
兵庫ユカ 作者ブログ「.bypass」2010/7/18
清潔なハンカチのような嘘をつく この青空をなくさないため
浅羽佐和子『いつも空をみて』2014
しんぷるな青杉としんぷるな空 とてつもなく大きい嘘のしずけさ
渡辺松男『歩く仏像』
こういう感じで、実に相性が良い。
「空」のなんでも吸収してしまいそうな虚無的なところが、なんとなく「ウソ」にマッチするのだろうか。
なんて言ってみても、そうかもな、という程度にしか納得できないが、しかし、実際に、「空+ウソ」歌はたくさんある。
(気をつけなければ、と思う。)
なんて言ってみても、そうかもな、という程度にしか納得できないが、しかし、実際に、「空+ウソ」歌はたくさんある。
(気をつけなければ、と思う。)
どこまでが優しい嘘になるのだろう青空にただ触れていたいよ
本多忠義『禁忌色』
海の嘘気付かぬままに釣り糸を空へと垂らす老人の群れ
木下龍也『つむじ風、ここにあります』
嘘をつく電話はなるべく屋外で空に向かって声を放てよ」
ふらみらり「かばん新人特集号」2015/3
夕空はひらたくなって嘘泣きの子供の声が節おびていく
本多忠義『禁忌色』
海の嘘気付かぬままに釣り糸を空へと垂らす老人の群れ
木下龍也『つむじ風、ここにあります』
嘘をつく電話はなるべく屋外で空に向かって声を放てよ」
ふらみらり「かばん新人特集号」2015/3
夕空はひらたくなって嘘泣きの子供の声が節おびていく
ルビ:節【ふし】
花山周子『風とマルス』
痛きまで青き冬空逢ふためについて来し嘘どこまで容るや
痛きまで青き冬空逢ふためについて来し嘘どこまで容るや
本多稜「詩客」2013-10-04
葡萄蔓空に泳げばゆふひ色の少女の嘘に見惚れてありぬ
ルビ:惚【と】
浜田到『架橋』
嘘さえもつきたくなくて揚雲雀空は端から端までの檻
嘘さえもつきたくなくて揚雲雀空は端から端までの檻
大橋弘『既視感製造機械』
死者の息貼り付く空の青白し時間が解決するといふ嘘
死者の息貼り付く空の青白し時間が解決するといふ嘘
本田一弘『磐梯』
なんとなく傾向はわかる気がする。
こんなに詠まれてきているなら、この先はもう少し迫ってくるだろう。
2024・09・20
なんとなく傾向はわかる気がする。
こんなに詠まれてきているなら、この先はもう少し迫ってくるだろう。
2024・09・20
0 件のコメント:
コメントを投稿